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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第25回
2019.04.18

社長ポジションのスカウトを待つ準備

新興市場の台頭やベンチャー企業の増加により、社長の年齢はかなり低下して人材も流動化しつつあります。企業は何らかの事情で社長を外部からスカウトすることがありますが、その場合は社内に問題が潜んでいることが多いのが現実です。請われて社長に就任しても喜んでばかりはいられません。陣頭指揮を執り困難を乗り越えていくには、能力はもちろんのこと人格や経験などの裏打ちが必要です。したがって社長のスカウトは年代的には40代以降が対象になることが多いようです。

いまこのコラムをご覧になっている方のなかにも、社長としてスカウトされたい、起業して社長になりたい、勤務先で出世して社長に登り詰めたいという方がいらっしゃると思います。しかし、ひとつの会社に社長はひとりしかおらず、極めて特殊なポジションといえます。その社長に求められるファクターにはどのようなものがあるでしょうか。社長になるチャンスを広げるためにどう準備すべきなのか考えてみましょう。
 
(1) 目の前の仕事に打ち込み、人の3~5倍以上の成果を出し続ける。
一心不乱に仕事に打ち込み、際立った成果を出すビジネスパーソンにならなければなりません。上司や同僚に「わき目も振らずに仕事に取り組んでいる」と一目置かれる存在になりましょう。
 
(2) 人が嫌がることを自分から率先して引き受け、こなしてきた経験がある。
社長というと組織のトップとして君臨するイメージがありますが、下積み時代に取り組んできた汚れ役の経験が活きることもあります。周囲の人々から信頼されるのは人の嫌がることに自ら取り組む度量の広さです。
 
(3) 社運を賭けたプロジェクトに抜擢され、活躍した実績がある。
所属している会社が社運を賭けたプロジェクトを展開するにあたり、そのプロジェクトメンバーに指名され、陣頭指揮を執った経験があること。あるいは大きな成果を残した実績があること。
 
(4) 営業、経理・財務、人事をバランスよく身につけている。
営業(売る)、経理・財務(数字)、人事(陣容)という3つの分野をバランスよく経験している。または際立った実力やセンスを持っている。いざというときにモノやサービスを売ることができ、計数管理にも強く、また人の採用・配置・解雇などについても解決できる実力を持っていること。これは経営者の条件として不可欠なものです。この3つのスキルがないことで社長候補から除外されるケースもあります。社長をめざす以上、自分がバランスよくキャリアを積んでいるか、ときおりセルフチェックしてみることをおすすめします。
 
(5) 致命的なスキャンダルがない。
ある人物が社長に抜擢される場合、その会社の全員一致で決まることはほとんどありません。多かれ少なかれ社内政治や派閥闘争があり、役員会が二分されるような状況も考えられます。そして誰かが笑えば誰かが泣くわけで、社長になったために恨みを買うことも十分考えられます。ですから攻撃されるような弱点を持っていると、そこを突かれます。何らかのスキャンダルで社長職をあきらめた人は枚挙に暇がありません。具体的には公金横領、異性関係などでつまずく方が多いように見受けられます。社長をめざすなら身辺にスキャンダルを抱えないこと、これが重要になります。
 
以上、社長としての推挙やスカウトを待つ際の準備を挙げてみました。目の前の仕事に取り組んで実績を上げるとともに、人の面倒をよく見る人が社長になることが多いと思います。仕事ができて面倒見もよいとなれば、その人物の人気は上がります。周囲には良い意味での派閥が形成されてくることでしょう。それが最終的な決め手になると思います。