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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第5回
2016.05.13

ヘッドハンターに求められるのはプロジェクトを一人で完結させる能力

ヘッドハンターに求められる素養と適性には、多くの要素が挙げられると思います。なかでも私はこれまでの経験から、ヘッドハンターにもっとも大切なものは「一人ですべてを完結させられる能力」だと思っています。この職業は、人を見つけ、説得し、契約し、入社後のフォローまで一連の流れをトータルに扱わねばなりません。そして、それぞれの場面に応じて高いレベルの対応ができなければなりません。すなわちひとつのプロジェクトを一人ですべて完結させられる能力が必要になり、それがヘッドハンティングのすべての土台になると考えます。

では、ヘッドハンターはいつも一人で業務にあたっているのか、というと必ずしもそうではありません。多くの場合、関連する分野の専門家と高いレベルで連携することも必要になります。そうなると「一人ですべて完結させられる」ということと矛盾するように感じるかもしれませんが、ここは微妙に違うと思っています。一般的にチームプレイというと、メンバーが数で事にあたる印象があります。みんなでやればなんとかなる!という集団主義を感じることもあります。しかし、私が考える真のチームプレイは、一人ひとりが高い次元で能力を結集し、より高いテーマについて取り組む姿勢のことです。

わかりやすい例でいえば、NASA(米国航空宇宙局)のスペースシャトルを思い浮かべていただくとよいでしょう。シャトルには船長を筆頭に、操縦、整備、宇宙遊泳、医療など異分野の専門家が乗り組んでいます。多種多様な高いレベルの人材が集められ、それらの優秀な能力が連携することで、不可能と思われることを可能にするのです。そこにあるのは弱い部分を補いあうチームプレイではありません。私どものヘッドハンティングという業務も本質は同じです。人の心と将来をお預かりする以上、関わる者すべてが高いレベルで連携しなければなりません。

ということですから、ヘッドハンターというのは、なりたい人がなれるわけではありません。いわゆる敷居の高い職業になっています。それは、一人ですべてを終わらせる能力が必要だからです。どんなに学歴や職歴が立派でも、優れたヘッドハンターになれるわけではありません。ゼネラリストでありながら、スペシャリストであることも求められますし、スポーツマンのようなタフネスさも必要になります。これまでの例を見ても、一匹狼で野武士的な強さのある人がヘッドハンターとして成功しています。どうすればヘッドハンターになれるのか、と尋ねられたとき、私はまず以上のようなことをお話ししています。