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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第23回
2018.12.20

企業のカルチャーにフィットしているかを探る質問

前回は採用面接における最も重要な「3つの質問」について述べました。それに関連し、今回はその人物が企業のカルチャーにフィットしているかを探る質問を列挙してみたいと思います。これも東京エグゼクティブ・サーチが永年の経験から集約したものです。面接担当者だけでなく、転職活動中の方にとっても考えるヒントになるのではないかと思います。
 
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◎企業のカルチャーにフィットしているかを探る質問

  • 意思決定はトップダウンでご自身が主体でお決めになりますか。それとも合議制を好まれますか。
  • 決定事項は文書に落として確認するほうですか。
  • 部下との意見衝突があった際に解決策としてどのような手段をとられましたか。
  • 目標が決定されると是が非でも達成しようとしますか。周囲とのバランスを重要視しますか。
  • 仕事はチームワークもしくは個人プレーどちらが大事ですか。
  • 会社は常に学ぶ姿勢が大事ですが、その学ぶはトップダウン型ですか、皆で教えあう型ですか。
  • あらゆるリスクは排除すべきですか、それともチャンスととらえますか。
  • 会社のレイアウトは大部屋方式あるいは個室方式どちらを好まれますか。
  • 部下とのコミュニケーションは一対一ですか、それとも全員一斉ですか。
  • 会社内での紛争はとにかく回避すべきですが、あるいは建設的意見の違いと受け止め歓迎しますか。
  • ご自身の仕事の進め方を一言でご説明ください。

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この「企業のカルチャーにフィットしているかを探る質問」は、私たち東京エグゼクティブ・サーチが人材の評価や採用面接についてコンサルティングをさせていただく際に、その人物がどういうレベルにいるのかを判断する指標としてレクチャーしているものです。
 
もうひとつ人事関連の指標になるものをご紹介しましょう。みなさんは“できる”という状態には段階があることをご存知でしょうか。
 
“できる”の段階
 
最上段には「意識せずとも完璧なレベルでできる」という段階があり、2段目には「意識して(努力して)できている」段階、3段目には「できないけれどできないことがわかっている」段階、そして4段目には「できないことがわかっていないくらいできていない」段階があります。
仮に100人の社員がいたとします。この“できる”の段階では4段目が40人いるといわれます。3段目が20人、2段目の「意識して(努力して)できている」が20人、そして1段目の理想的なレベルの社員が20人。このような段階を内包しつつ、できる社員ができない社員を養っていることになります。
 
このような「企業のカルチャーにフィットしているかを探る質問」や「“できる”の段階」を参考にしてフレームワークで話し合ってみてはいかがでしょうか。話し合いで固まったものをカルチャーとして整理し、今後の採用に活用していくことができると思います。
 
企業のカルチャーに適した人材を採用することができれば、ミスマッチを回避し、離職率を低下させることができるはずです。フレームを整理しておけば似た者同士を手厚く採用することもできるし、あえてカルチャーと違う人、異質な人などを採用し、片寄りを調整することもできるようになります。人事政策上、効果的なのではないでしょうか。
 
ただし注意すべき点は、カルチャーをボトムアップしていったときに、経営者のボトムダウンとの違いに直面し、混乱することがあることです。しかしこれまでの例を見ていると、やはり社員が積み上げたフレームのほうが経営者のトップダウンよりも頑強なことが多く、落ち着くところに落ち着くようです。このように会社のカルチャーとフィットする人材が揃ってくると経営も順調に展開するようになります。