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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第2回
2016.03.01

日本におけるヘッドハンティングの歩み

欧米で既に普及しつつあったヘッドハンティングビジネスをパイオニアとして日本で起こしたのは、私ども東京エグゼクティブ・サーチ株式会社のファウンダーの江島でした。米国留学から日本にヘッドハンティングの概念を学び、持ち帰りました。1975年、東京エグゼクティブ・サーチ株式会社を設立し、本格的にヘッドハンティングビジネスに取り組みはじめました。これが日本におけるヘッドハンティングビジネスのはじまりです。その後、世界ビッグ5といわれるサーチビジネス会社もほぼ同時期に日本に進出、日本はヘッドハンティングビジネスの黎明期を迎えます。

この黎明期がイコール日本のヘッドハンティングビジネス第一の成長期といえます。当時は終身雇用制があり、また基幹産業である重厚長大産業をはじめ、転職が一般的ではありませんでした。ここに外資系企業が参入しはじめ、日本独特の商習慣になじんだ人材を求めたことで、ヘッドハンティングが行われるようになりました。私ども東京エグゼクティブ・サーチ株式会社もこの頃は外資系企業のクライアントが8割を越える状態でした。

第二の成長期はバブル経済(1986~1991年)の時期です。好景気もあって中小・零細企業が成長を期しヘッドハンティングを使うようになりました。中小・零細企業は大企業に頭を押さえられた状態ですので、それを克服して成長するためには優秀な人材が必要でした。しかし求人に努めても新卒は大企業に取られてしまいます。そこで大手が育てた40~50代の即戦力となる人材を獲得し、会社を伸ばそうとしました。この頃は東京エグゼクティブ・サーチ株式会社でも中小企業のクライアントが著しく増加しました。

第三の成長期はバブル崩壊直後です。北海道拓殖銀行や山一證券が破綻した頃といえばご存知の方も多いでしょう。この頃に年功序列や終身雇用が一気に崩れ、人材の流動化がはじまります。大企業に就職してもそれで万全とは言い切れない時代になったのです。企業や勤労者の転職に対する意識改革が進み、ヘッドハンティングビジネスでも飛躍的な成長がはじまりました。

そして第四の成長期はリーマンショック以後です。失われた20年といわれる厳しい不況が続きましたが、一方で新業態が続々と登場し、若者が牽引したIT産業の興隆もあり、産業革命ともいえる印象でした。小資本と規制緩和で男性女性を問わず有能な若者が起業し、そこではヘッドハンティングが当然のように行われるようになりました。能力や技術を持つ人材が自由に企業を渡り歩く時代にヘッドハンティングビジネスは大きな役割を果たしています。

こうして時代の変遷を見てくると、歴史のなかでヘッドハンティングというサービスには時代に即した使命があったことを感じずにはいられません。これからもヘッドハンティングは新しい時代に必要とされるサービスとして進化していくことでしょう。