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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第85回
2023.04.29

ここが大事! 職務経歴書のまとめ方

このコラムでも推奨したことがありますが、転職するかしないかは別にして、ときおり自分のキャリアを棚卸しすることで職務経歴書を定期的にアップデートすると有意義です。特に外資系企業でキャリアを積み上げているようなみなさまは、動く機会が多いので、常にご自身の再確認が必要になります。本音を言うと転職の有無に関わらずこまめに自分の棚卸しをすることをおすすめしたいのですが、それ以外に何らかの理由や事情があるとか、または近々の転職を考えて職務経歴書を作成せざるを得なくなった方も多いことでしょう。ここではそうした方を対象にひとことアドバイスをさせていただこうと思います。


職務経歴書についてよく次のような質問をいただきます。
「職務経歴書は短い方がよい、できたら1枚がよい、と聞いたことがありますが、実際のところはどうなのですか」
確かに書面は見る人によって好みがありますし、長い時間をかけて読まなくてはならない文章は苦痛かもしれません。もし読者のみなさまが、誰でも知っている有名な会社でそれなりの職責を担い、しかも長期間在籍し、短期の転職を繰り返していないということであれば、そのような人は経歴を羅列したような短い職務経歴書でもよいでしょう。これまで就任したポジションによって、面接する企業にある程度の信頼感や期待感を与えられるかどうか、ということが重要になります。もちろん実際に職務経歴書を見て「ちょっと違うな」という印象を持つこともありますが、ある程度「会ってみたい」となることが多いはずです。そういう場合は職歴の記載が簡潔であってもよいでしょう。


反対に就職回数が多いとか、知名度のない企業で働いていたとか、スタートアップやベンチャー企業、中小零細企業で着実に実績を上げてきたというような場合は、自分のセールスポイントを自分の言葉でボリューム多めにまとめあげた方が効果的だと思います。そこに適切なストーリーがあれば、大手勤務とはまた違った期待感を持ってもらえるでしょう。要は職務経歴書の書き方に特別な秘訣があるのではなく、ご自身の能力を正しく理解していただくことが大事なのです。


そこで私がおすすめしているのは、職務経歴書の冒頭にエグゼクティブサマリー Executive summary というものを書くことです。これは10~20行の文章で多忙なエグゼクティブに目を通してもらうための要約のことです。内容としては能力、経験、実績などを自分の言葉でアピールします。ここでエグゼクティブから興味を持っていただけたら、詳細を読んでもらう流れにするのです。外資系企業ではよく使われる手法です。忙しい経営者や役員が隅から隅まで読まないと候補者の全容が伝わらないようでは負担です。冒頭の数行を読めば、ある程度のことは理解できる、それがエグゼクティブサマリーです。


エグゼクティブサマリーのような短くて的を射た文章は「うまく書こう」と思ってもなかなか書けるものではありません。伝わる文章を書くためにはいつも自分の頭の中を整理しておく必要があります。かといって書くことそのものが目的になってしまってもいけません。目的と手段が混線することはおすすめできませんが、普段から頭の中を整理している人は優秀で印象のよい人物が多いように思います。面接で突発的に何か質問されてしどろもどろになるケースはよくありますが、職務経歴書を書くために自分の棚卸しをしていると、何を聞かれても落ち着いていられます。ご自身の職務経歴書を育てるという観点からも、自分を見つめ直して定期的にアップデートすることをおすすめします。


以上