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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第16回
2017.08.14

年収を上げるためには、人より抜きんでるか、人の嫌がることをやる。

日本経済は少子化による人口減少の影響を受けはじめており、特に若年労働力、すなわち現場でバリバリ働ける年齢層が急激に減少し、すでに人手不足による倒産が増えてきています。これは主に飲食業とか建設業といった業界で目立ちます。

こうした時代に年収を上げるには、現場でプレイヤーとして高い水準の実績を上げることです。そして35歳くらいまでに必ず管理職の経験を積むこと。大きな会社は35歳を分水嶺として管理職候補を選別します。今後、管理職として育てるか、単なる労働力として利用するか、実は35歳くらいで決めているのです。

ですから35歳前後で部下をマネジメントする経験が求められます。プレイヤーの場合は、例えばひとりで1億円売るという仕事をやってきたわけですが、マネージャーとして今後は10人で6億円売る仕事を覚えることが必要になります。

会社にはプロジェクトというものがあり、そこでは自分がやっている仕事と掛け持ちしながら、社運を賭けて取り組む事案が発生するものです。そういう機会があったら、必ず自分から挙手をして、人がいやがることを積極的にやるようにするべきです。

社内で地位を固め、年収を上げてゆくには、人より抜きんでたことをやるか、人の嫌がることをやるか、どちらかをやるようにします。もし大きなキャリアを積みたければ、この2つを両方やればよいのです。日常業務とプロジェクトの掛け持ちは大変ですが、それをこなした人がキャリアアップします。自分から手を上げなくても、有能であれば待っていて声が掛かることもあるので、そういう時も断らずに引き受けるべきでしょう。声が掛からない時は自分からどんどん手を上げてゆくこと。そういう積極性を30代までに身に着けたいものです。

そして30代半ばを超えてきたら、自分が築き上げてきた、自分が結果を出せる部門の仕事を後輩にゆずり、もう一度自分が汗をかきましょう。結果を出している人には社内外のネットワークなどの基盤があります。しかし、それは後輩に譲り渡し、会社で火を噴いている部門にチャレンジをすることが大事です。そうした苦しさをいとわない姿勢を経営陣にアピールすると一目置かれるようになり、人間的信用を得ることができます。これを繰り返していくとあなたの存在感は大きなものになります。

いまは人がいやがることをする人が減りました。しかし、人がいやがることをやらない人は経営陣に評価されません。この人は会社の中核に入る人ではないと判断されると、昇進で年収が上がる目はなくなってしまいます。

もうひとつ忘れてはいけないことがあります。いま35歳の人は10年後にいま25歳の人が追い上げてくるということです。上を見て仕事をしているうちに、後輩が自分を脅かしてきます。しかも追い上げるスピードが増してくるので脅威です。常に自分をブラッシュアップしなくてはなりません。

トップレベルの人たちは転職しなくてもよいという前提でサーチ会社に客観的な診断を求めにきます。健康管理のできる人と同じで、自らの能力管理ができるのです。鈍感で努力しない人は自分がどのレベルにあるのかさえ知りません。ストイックな人は自分の仕事ぶりを客観的によく確認しています。そういう心掛けを持つべきです。昔の日本経済にはキャリアがなくても年収が上がる余裕がありました。今はキャリア・イコール・年収の時代。能力のない者は淘汰されてしまいます。

ひとつお伝えしておきたいことがあります。それは「居酒屋で愚痴を言い出したら危険信号!」ということ。コミュニケーションを深めるためならいいのですが、愚痴を言い出したら終わりのはじまりです。会社が悪いとか、自分が正当に評価されないとか、そういう態度をとる方は、年収の上がらない、むしろ年収の下がっていく人になりがちです。自分の客観的なチェックを欠かさないようにしましょう。