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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第105回
2024.12.31

リーダーシップについて思うこと

リーダーシップという言葉はありふれたもので、これまでいろいろな人が語り、多種多様な文献が出ています。ここでは私がリーダーシップについて最近感じたことを述べさせていただこうと思います。

日本は四方を海にかこまれた島国ということで、まだまだ国民の同一意識が強く、リーダーシップの発揮という面では課題を抱えているように感じます。経営者においては、エグゼクティブについての意識がかなり改善しているのかと思いきや、いまだに「自分より年齢の若い人を採用したい」という傾向は変わらず、自分より年齢の高い人はコントロールできない、自信がないということで、敬遠されているようです。
私は思うのですが、本来リーダーシップというものは肩書や権限が上とかいうことではなく、組織が向かうべき方向性、ベクトルに対してメンバーを誘導していく、その立場に従事する人がリーダーシップを持っているということであって、リーダーシップを持っている人が必ずしもリーダーとは限らないと考えています。リーダーシップを発揮するのは職務であって職位ではないのです。

ですからリーダーシップを体現するのは、極端に言えば20代でも70代でも構わないということになります。進むべき方向を理解していて、そこに向かって社内で指導力を発揮する人物がいれば、そこでは年齢や性別は関係ありません。日本ではリーダーシップについて、年長者が年下の者に対して発揮するものという先入観がありますが、それは違うのではないでしょうか。10年前と比べても、この意識は前に進まないと痛感しています。
世界を見渡すとグローバル化、デジタル化が進み、何が最大の特徴かというと、スピードが速くなるということです。すなわち朝令暮改があたりまえになるということ。会社の方向性についての変化が非常に早くなるので、迅速な意思決定をしなくてはいけません。リーダーシップもそれに合わせてスピード感を発揮していかねばならないと思います。

そうなるとリーダーシップを発揮する人や範囲も、めまぐるしく変わってよいということになります。年齢、性別、国籍、民族、言語、宗教観、こうした属性のようなものを色眼鏡で見ることなく、やらなければいけないことに手をつけ、組織のぜい肉を落とし、筋肉質にしていくことが非常に重要になってきます。これが世界におけるリーダーシップの在り方です。日本でもかなり知られてきましたが、ようやく柔軟に受け入れられはじめたのは年齢くらいで、国籍、民族、言語、宗教観などになるとリーダーシップの発揮において日本人が苦手としているところです。こうしたいろいろな属性の人を対象に、ひとつのわかりやすい言語で全員に伝えやすくしているのが英語です。英語は世界中の言語のなかで最も簡単な言語だから標準語になっているのだろうと思います。

日本の経営者も、こうした世界のトレンドから学び、旧来からある固定観念のようなものから脱却し、自信を持ってリーダーシップを発揮していただくことが必要なのではないでしょうか。日本では健康寿命が長くなり、少子高齢化が進み、その対策として移民を受け入れるかどうかわかりませんが、少子高齢社会のなかで若い人を探すよりは還暦程度の優秀な方をもっと活用して戦力化するほうがはるかに採用のハードルも低いし、チャンスも出てくると思います。会社のトップが自分より年齢の若い人を起用しなくてはならないという先入観を持っているのであれば、そこはそろそろ卒業するべきではないでしょうか。最近、経営者のみなさまとリーダーシップについて語りあう機会があり、この点を強く感じた次第です。