社 長 コ ラ ムCOLUMN
もしあなたが本当のヘッドハンティングを受けたら?
きょうはみなさまが本当のスカウト(ヘッドハンティング)のお誘いを受けたら、どのように対応すればよいか考えてみたいと思います。オファーを受け取った際に、まず本当のスカウトと似非スカウトを見抜く眼が必要になります。本当のスカウトとは、あなたの詳細をエージェントが事前にすべて理解しているケースです。クライアント企業も同じようにあなたの良い評判を承知の上でお誘いになっているはずです。しかし一部には例外もあり、クライアント企業が個別に指名してきた訳ではなく、業界内であなたがとても優秀だとエージェントが聞きつけて「評判をお聞きしたのでぜひお会いしたい」とアプローチするケースもあります。これは想定している案件を前提とせずに「優秀な人材」としてコンタクトするので、現実には本当のスカウトとは意味合いが違います。本当のスカウトというのは、あなたがどういう人で、どこの学校を出て、どの会社に勤務し、どのような仕事をしているか等の情報を事前に把握しています。そして「このポジションでご活躍いただきたい」というイメージを仮説ながら大前提として声を掛けてきます。ビジネスパーソンのなかには「スカウトされた」と吹聴される方がいらっしゃいますが、本当のスカウトと呼ぶに値する事例は非常に少ないと思います。そしてこのレベル感こそ私ども東京エグゼクティブ・サーチが本当のヘッドハンティングの規範としているものです。
いま申し上げたようなアプローチをしてきたエージェント、もしくはその背後にいるクライアント企業が、あなたの個人情報を正確に把握してお誘いになっているならば、ぜひ一度交渉のテーブルに着いてみることをおすすめします。なぜなら、それがあなたの劇的なキャリア・アップにつながるかもしれず、かなり確率の高いオポチュニティになることが期待できるからです。
案件にもよりますが、私どもが情報を調べ尽くして「ぜひ」とお誘いする時は、予備サーチ(予備の面談)で意中の一人に辿り着くまでに50人ぐらいの情報から絞り込みます。常に50分の1の声が掛かっているレベル感です。先ほど触れた経歴や実績の詳細だけでなく、あなたの年収も知られている可能性が高く、それより有利なオファーをしてくれる可能性があり、一般的な転職とは待遇がかなり違います。取り組んでいただく仕事も明確で、未経験の部分も含め、年収125%くらいの内容でオファーされることが多いと思います。というのは100%程度であれば、現状の満足値が高い人が多いため、受けていただけない可能性が高まるからです。そういう案件では間に入っている私どもエージェントが、モチベーションを上げていただくために25%から50%のプレミアムをつけるのが一般的です。このプレミアムは、その方にとってやりがいのあるお仕事であったり、年収やポストであったりします。例えば副社長に「社長をやっていただきたい」とオファーをするわけです。年収1,000万円の方であれば「年収1,500万円でいかがでしょうか」ということになります。その際はお誘いする方の情報をよく調べ、何をやっていただくかを明確に決め、クライアント企業の同意も取り、擦り合わせを済ませてから声を掛けることになります。
本当のスカウトがコンタクトしてきた場合は極めて丁重で、似非スカウトとは明らかに違います。あなたのことをよく知らずにオファーを飛ばしてくるような業者もいます。そういう似非スカウトとは全く違いますので、本当のヘッドハンターが接触してきた場合は転職を前提としなくても、その立場に敬意を払い懇談されることを強くおすすめします。案件に興味が持てない場合やタイミングが合わない時はいつでも断ることができます。エージェントの方は力量があるはずですので、丁重に接して人間関係をつないでおけば、また大きなオファーを持ってきてくれるかもしれません。いま必要ないからといって関係を断ってしまうのはもったいない話です。本当のヘッドハンティングを受けた場合は以上のような心構えで対応するとよいと思います。
以上