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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第19回
2018.07.10

攻めと守りの両方で豊富な経験を積む

前回は、ある化粧品メーカーの花形部門である宣伝部で活躍したものの、そのセクションに長く居続けたために社内で不評を買い、最後には転職することになってしまったという事例をご紹介しました。

その会社のように大企業にはいわゆる「花形セクション」が存在することがあります。一般的に人事異動は本人が黙っていても会社が実施しますが、優秀で期待されている人材の場合、自ら手をあげることで将来への道を切り開くことも可能になることがあります。しかし、その会社の花形セクションで仕事ができたとしても、それが吉と出るか凶と出るかは分かりません。誰もがうらやむ花形ポストに就いて、そこで何らかのマイナス評価を得てしまうこともありえるのです。そして、たとえ仕事の評価がどんなに高くても、楽しく充実した仕事だけを追いかけているようでは、それも評価を下げる要因になります。

社内で着実に出世をめざすのであれば、花形部門でしっかり結果を出すことも大事ですし、危機に直面している部門で人の嫌がることを積極的に引き受け、業績を立て直すような手腕も発揮しなければなりません。すなわち、攻めと守りの両方で豊富な経験と実績を積むことが大前提になってくるのです。花形部門であろうと赤字部門であろうと、どのような部署にいるときでも、過去と将来の自分の仕事を分析し、冷静にキャリアを見つめなおすということも大事になってきます。

また、花形ポストに就いて毎日が充実していたとしても、タイミングを見て次世代にポストを譲り、自分は赤字部門を立て直すために自ら手を挙げてチャレンジしてゆくような気概が求められます。それがさらに高い目線で自分をマネジメントすることであり、そうした姿勢が経営者や上司にも評価されるのではないでしょうか。

大企業の出世レースでは、ポストとマネーがものをいいます。豊富な実績と経験と人脈を武器に、多数派を形成して自分の力を発揮しやすくしておくこと、最後にはそれがものをいいます。ただし、これは大企業でのこと。50人、100人の会社のマネジメントと、5000人、10000人の会社のマネジメントは違います。大企業と中小企業では目を配るスケールが全く違うのです。会社が大きくなればなるほど、一人では仕事ができなくなり、リレーションシップやチームワークが必要になるからです。

前回ご紹介したAさんのケースを見ても、実は将来の経営者として期待をされていたにもかかわらず、会社がそれを適切に伝えていなかったか、あるいは本人がそこまで意識できなかったか、いずれにしてもコミュニケーションエラーがあったと言わざるを得ません。思えば残念なことでした。

これをお読みになっているあなたが、もし社内で花形部門と呼ばれる場所にいて、将来は経営者として活躍したいとお考えであれば、これまで述べたような点に配慮し、社内の登竜門から着実に上層部へ歩みを進めていくことをおすすめします。