クライアントは国際的知名度も高い、数多くのトップシェアを持つ航空機器企業である。特に商品の品質、開発技術には定評があり、航空宇宙産業の品質保証規格も取得し、一層の商品開発力の強化に取り組んでいた。しかし海外顧客も含む受注業務を担当し、技術サポートまで一貫してマネージメントする、航空技術営業部の責任者の不在が続いていた。このため近年は新規チャネル開拓に難航し、新規商品企画にも悪影響が及び始め、弊社にその解決を託された。
当初、クライアントの理想とする人材と、労働市場の現実には乖離が激しかった。同分野での研究開発や製造計画実績があり、海外を含む技術営業にも経験を持ち、今後数十年先まで任せることのできる人材となると皆無に等しく、相当の困難が予想された。
しかし、クライアントが本当に求めているものは、人材そのものではなく、人材によって同部門を再構築することである。その原点から検討を重ね、全てを兼ね揃えた一人ではなく、補い合う二人の責任者を求めるのが現実的な最適解だと考えた。求める経験を積んだ熟練の責任者(部長相当職)と、その責任者と協力し、今後数十年先を任せることのできる、次世代の責任者(課長相当職)。このような二人の人材による航空技術営業部の再強化案をクライアントに提案し、快く賛同を得ることができた。
二人という選択肢に切り替え、現実的な人物像が定まると、前述した二名の候補者との出会いに時間はかからず、両名とも一度の面接で好条件でのオファーが提示された。
現在、部長職相当で入社した候補者は、クライアント商材のワールドワイドでのチャネル開発と部門のマネージメントに取り組み、課長職相当の候補者は希望だった海外経験を積みながら、次世代の役員候補として研鑽を重ねている。