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社 長 コ ラ ムCOLUMN

第1回
2016.02.17

ヘッドハンティングとは欲しい人材の一本釣り

私ども東京エグゼクティブ・サーチ株式会社は、ヘッドハンティング(サーチビジネス)のパイオニアとして知られています。しかし、改めてヘッドハンティングとは何か、どのようなことをしているのかと考えたとき、お読みになっている皆さまも具体的なイメージを思い浮かべにくいのではないでしょうか。このコラムではヘッドハンティングについて、より理解が深まるようなお話をしていきたいと思いますので、ご愛読のほどお願いいたします。

 

ヘッドハンティングとは、欲しい人材を一本釣りして自社に迎え入れる行為をいいます。これをサービスとして提供しているのが、ヘッドハンター(サーチコンサルタント)と呼ばれる東京エグゼクティブ・サーチ株式会社のような専門家集団です。実はヘッドハンティングという言葉は、欧米では過去のものとなっており、現在はサーチビジネス、サーチコンサルティング等と呼ばれています。しかし日本ではヘッドハンティングという表現が一般的ですので、ここではそれに準じさせていただきます。

 

ヘッドハンティングの歴史をひもとくと1929年の世界大恐慌に行き着きます。その未曽有の不況のなか、アメリカで生まれたビジネスがヘッドハンティングです。当時の恐慌はリーマンショック級のスケールでした。多くの企業が経営危機に直面し、会社を存続させるために従業員を整理しました。企業によっては、これ以上人を減らすと存続さえも危うくなる、という段階まで人減らしをしたといいます。

 

企業というのは利潤を追求し、永続することを目的としています。にもかかわらず従業員を放出しすぎてしまうと、反転攻勢に出る力を失ってしまいます。大恐慌という局面において、新規事業に進出する、あるいは既存事業と新機軸を組み合わせて存続を図る会社が出てきました。自社が持つ経営資源と人材を組み合わせることで、不況からの打開を図ろうとしたのです。しかし有為の人材は社内にいません。そうした厳しい状況のなかで経営者が活路を見出したのが、ヘッドハンティングでした。企業を永続させる手段として必要な人材を確保する、これがヘッドハンティングの歴史の出発点になっています。

 

そうした経緯もあり、ヘッドハンティングは企業の経営戦略と密接に関わっています。企業の経営者や幹部が狙った人材と水面下で交渉するなど、あまり表面に出てきません。したがってヘッドハンティングの現場を目の当たりにする方はごく少数であり、それがヘッドハンティングの実態を分かりにくいものにしていると思われます。では、転職が一般的でなかった日本においてヘッドハンティングはどのような歴史を歩んできたのでしょうか。